● カレイドスター第11話「アンナの すごくない お父さん」。サブタイトルの三句の真ん中が、いつもは「すごい」なのが「すごくない」。
● カレイドスターのサブタイトルの正体は、真ん中の句を抜かして読むと見えてくるんですよね。
- 初めての!ステージ
- 初めての!すごい!ステージ
- 孤独なチャレンジ
- 孤独な すごい チャレンジ
- いつも遠い家族
- いつも すごい 遠い家族
- 笑わない少女
- 笑わない すごい 少女
- 主役への挑戦
- 主役への すごい 挑戦
- 熱い新作
- 熱い すごい 新作
● 「小さくて すごい オットセイ」は、ちょっと例外っぽいけど。「すごい」を抜かすと、単純で牧歌的になってしまうバウ。奇をてらって、複雑怪奇なサブタイトルにするより、単純でストレートなサブタイトルに階層をつけて深みを出すこの手法は、うまいと思います。
● 似たようなサブタイトルのつけ方で記憶にあるのは、機動戦艦ナデシコ。あれは括弧の外を外して読むものでした。
- 「男らしく」でいこう!
- 「緑の地球」は任せとけ
- ルリちゃん「航海日誌」
- 明日の「艦長」は君だ!
- どこにでもある「正義」
などなど。括弧の中だけだと、やはり牧歌的になるけど、上手にモダンにしてますね。照れ隠しともいうか。
● サブタイトルの方針を変えさせた「すごくない」お父さん。親子供の話し、仕事でだまされて悲惨な人生を過ごしたなど、うるうるな内容だったバウ。
● アンナがしっかりしているのは、飼い犬のバッカスのせいでした。バッカスは、アンナの靴を盗んだり、じゃがいもにほえたり、窓枠ごと窓ガラスをわるような凶暴な猛犬。さびしがりやな犬。お母さんは、バッカスの世話に掛かりっ切りだっただろうから、アンナは気丈に育ったんだバウね。
● いや、バッカスが「これぐらいで泣くな、強くなれ」とアンナを育てていてくれたに違いない。もっというと、父親が蛙のまねなんかして、ほわほわしてるから、バッカスが「俺がしっかりしなければ」と強いところを見せているのだ。本当に父がいなくなって、女所帯になったときには、父親のつもりで過ごしていたのだ。バッカスがオスかメスかは、わからないけど。