音声標本装置は、いぬにとって、座頭市の仕込み杖


アカイゼットはち

● いぬといえばサンプラーサンプラーって、音声標本装置というものです。エンソニックミラージュ、アカイS612なんて頃から、サンプラーを中心に音楽を作って、ラチナムを儲けて、楽器会社からサンプラー十数台提供されたり、デモ演奏をしたり、そんな犬生でした。なんだ、また過去話か、というわけではなく、新しい話です。アカイの新型サンプラーZ8が入谷に届いたバウ。写真機が手元にないので、楽器フェアの時の写真です。

● 二台。ラガッサで使う分と、仕込み用。S6000まで、4Uという巨大化する一方だったアカイのサンプラー。シリーズ名、十七年ぐらい続いていた「S」シリーズから、新生「Z」に変わって、スリムになりました。2U。S612サイズに先祖返り。612は小さいディスクドライブ兼収納ラックが別に2Uあったじゃないか、なんてマニアックな突っ込みは、しなくていいです。

● 新世代だから読み方もカッコよいっぽい「ずぃーえいと」なんて呼ぶのかと思ってました。呼び方自信がなくて、なかなか口に出さずにしていました。「アカイの新しいサンプラー」なんて呼んでました。アカイの人とお話したら「ぜっとはち」と呼んでいたので、安心して口に出せます。ぜっとはち。

● さて、新世代Zは、思ったほど新しいものではないバウ。見かけは変わったけど、S6000の延長線上です。S6000の途中でオプションで増えてきたものが、標準化された感じ。SIMMはDIMMになったものの、これから、生産が少なくなりそうなPC133だし。IDEが標準装備されたものの、二世代前のATA-4ということで、ビッグドライブつないでも80ギガまでしか使えないらしいバウ。シリアルATAなんて求めないけど、今が旬のビッグドライブぐらい対応して欲しかったバウ。PS2接続だった文字入力キーボードも、USBに。USBの外部ドライブも接続できます。これも、USB2.0とかじゃないです。それからオプションでジップ250も内蔵できます。内蔵可能ドライブは一台のみ。ジップ入れたら固定ディスクは入りません。あと、おなじみ外部スカジーもついてますよ。なんか、どれを取っても一歩遅れている気がするバウ。

● なんかー、どうだろう、IEEE1394一個つけるだけで、なにもかも解決しそうだけど。音の出入り口も、演奏情報も、記憶装置も1394接続の、1UのmLANサンプラーがあったら、いぬは、好きになるバウ。

● S6000の延長。操作性も機能も、ほぼS6000なので、半日使えばこちらのもの。フル活用できているバウ。さすがサンプラーのいぬ。無くなった機能で、ラガッサで使いそうな機能。電源入れたら、特定のセットを自動読み込みしてくれる機能。こんな便利機能が無くなったので、オペレータの方が、毎朝、手動でロード作業しなければいけません。不安要素が一個増えます。あとS3200の時代にあった、タイムコードを受けて、指定の場所で、指定の音を鳴らすという機能もないバウ。MIDIファイルの再生をZ8本体でできるけど、タイムコードなど関係ない手動ボタン押し。MIDIチャートにソングポジションポインタとか受信できると書いてあるのに、アカイの人によると、同期はできないということ。別に一台シーケンサを用意しなければいけないということ。本体再生可能なMIDIは、フォーマット0という単純なものです。

● マックとUSBでつないで、音ファイルやMIDIファイルを送受信できます。音設定の操作をマックでできます。ただ、USB1.1/1.0なので、でかいやりとりは、のんびりです。そういえば、S6000に256メモリ入れて、全容量をスカジー固定ディスクとやりとりしていたときも遅かったです。読み込みも書き込みも。Z8とマック間も256メガUSBやりとりで十数分といった感じ。それから本体メモリから内蔵ジップへの保存も、遅いです。やはり十数分。ジップを使うのは初めてだけど、こんな物なのかなぁ。これだったら、内蔵固定ディスクにして、ジップは外付けにしたほうがいいのでは。内蔵固定ディスクなら速くなるという保証はないけど。

● 結構不満気味に書いてきたけど、決定的な特徴があるバウ。いぬにとっては致命的。リリースタイムやディケイを0にしても、鍵盤を離してから、こころなし音が残るのです。超微量です。気にする人はいません。というか、普通は、滑らかに残って欲しいと思うでしょう。ところが「ゲート音楽」をやる人には、許されません。ゲートやるなら、どこまで音を歯切れよく斬れるか、短くできるか、不自然に直角に斬れるかが、第一なのです。斬って斬って斬りまくりたいのがゲートです。この辺は、「I AM THE GATE」との異名を持ついぬが、アカイに詰問したいと思っています。

● というような長文を飛行機の中で書きました。まるで目の前にZ8があるような言葉だったでしょう。というか、もっと、Z8触っていたいバウ。